1917 年に大阪中央電信局で導入されたカナタイプライタのキー配列.
ヘヒネケ トラワムモメ
゛ホフクコ チヨウンナヤ
ルハタカシ イマサリエロ
スニセテヲ キツノアミ
シフト側
外国至急 前后私局官線
゜一二三四 五六七八九〇
無ーユレソ 井ヌ」「ヱ為
/\(丶オ )┘開送替
JIS X 6001 (旧 JIS C 0803, 1961 年制定, 1994 年廃止) の起源である.
- 「ゐ」「ゑ」を含むカナ 48 種, 電報用の漢字や各種記号を入力できる.
- 当時の電報文をもとに, 使用頻度の高い文字を人差し指に集中させ, 打ちやすさを考慮した配列である.
Google 日本語入力のローマ字テーブルとしてインポートする.
shift+h
"井" は "ヰ (ゐ)" に修正した.shift+v
"丶" (電報の区切点) は読点に,shift+m
"┘" (電報の段落記号) は句点にあらためた.shift+0
"官" とshift+x
"\" (訂正記号, 直前の字をけす二重斜線) は実装できないので, さしあたりshift+x
"官" とした.
- 濁点は使用頻度が最も高いキーだが, 当時のタイプライタの機構上の制約により, やむをえず打鍵しにくい左小指に配置したらしい.
- Nicola や新 JIS とくらべると "ま" がかなり打鍵しやすい位置にある. 当時の電報文の傾向か.
- 「い」の裏に「ゐ」, 「え」の裏に「ゑ」, 「を」の裏に「お」があり, これらの文字の配置については使用頻度以外の要素も考慮されたと想像される.
1950 年代に「を」と「お」の表裏が交換され, JIS C 0803 でも「お」が表, 「を」が裏とされた. おそらく「現代かなづかい」の施行をうけての変更だが, 実際には現代においても「を」の使用頻度は「お」よりも高い.
安岡 孝一「キー配列の規格制定史日本編 : JIS キー配列の制定に至るまで」
システム制御情報学会誌, Vol. 47, No. 12 pp. 559-564 (2003)
http://ci.nii.ac.jp/naid/110003892148/
安岡 孝一「タイプライターに魅せられた男たち・第 55 回:黒沢貞次郎 (8)」
http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/wp/2012/10/11/kurosawa8/
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